「ランチ付きこども誰でも通園制度モデル事業」利用者座談会 vol.3
「こどもまんなかアクション」リレーシンポジウムin栃木市
2024/07/02
2024年3月12日に行われた「こどもまんなかアクション」リレーシンポジウムin栃木市。プログラムの一環として「認定こども園さくら」と株式会社ここるくで実施した「ランチ付こども誰でも通園制度モデル事業」の利用者座談会を開催しました。2023年6月から始まった認定こども園さくら(栃木市)での「こども誰でも通園制度」のモデル事業は、スタートから約半年。今回の座談会は、認定こども園さくらが運営する子育て支援センター併設の「カフェさくらさく」で行われ、こども家庭庁保育政策課長補佐の出口貴史さんを交え、ここるく代表の山下真実がモデレーターを務めました。本記事では、同日2回行われた座談会 第一部の内容をご紹介します。
会場:認定こども園さくら運営の子育て支援センター併設「カフェさくらさく」
実施日:2024年3月12日 13:30~14:00
※注:2024年3月末にてモデル事業は終了し、2024年4月より「こども誰でも通園制度」試行的事業に移行しました。
「ランチ付きこども誰でも通園制度」の詳細はこちら
2023/7/26 利用者座談会vol.1はこちら
2023/10/23 利用者座談会vol.2はこちら
2024/3/12 利用者座談会vol.4はこちら
座談会ご参加の皆さん
Nさん
1歳・6歳・8歳ママ
Kさん
0歳・2歳ママ
Uさん
0歳・3歳ママ
出口さん
こども家庭庁
山下
ここるく代表
理想は週に1回、まとまった時間の利用でこどもにも保護者にもプラスな時間に
Q:「こども誰でも通園制度」モデル事業をどのくらい利用されましたか?
Nさん
- 下の子が1歳になった9月に初めて利用して、12-1月ごろは週1回くらい利用しました。その後はなかなか予約取れなくなったのでちょこちょこですね。
Kさん
- 今8ヶ月の子が4-5ヶ月の時に初めて利用しました。先週も来ましたが、コンスタントにというよりは用事がある時に合わせて利用している感じです。
Uさん
- 1月に事前面談をしてから、今のところ月2回程度です。
Q:理想的にはどのくらいの頻度で利用したいですか?
全員
- 週一回!
Nさん
- 週一くらいが自分的にもこども的にもいいかなと思って、取れる限りは週一で予約を入れています。
Q:一度の利用で何時間くらいが良いなどの目安はありますか?
Uさん
- 朝9時に預けて、お昼寝して、ご飯を食べての流れを考えると9~15時がベストなのかな。
Kさん
- 同じくです。こどもが園に居られるのであればそのくらいがいいですね。こどもも慣れてくれるし、親としても用事を済ませやすいかなと。
Nさん
- 9:15くらいから14時前後まで。上の子が学校から帰ってくる時間と合わせて利用しています。
山下
- ある程度まとまった時間の方が、こども側にも親御さん側にも良いバランスのようですね。
情報発信は園側からも、自治体からも
Q:この制度を知ったきっかけは?
Uさん
- ここ(cafeさくらさく)のインスタだったかな。認定こども園さくらのインスタだったかも。とにかくSNSでした。
Kさん
- 「こんにちは赤ちゃん訪問」(※栃木市の乳児家庭全戸訪問)でチラシをもらいました。上の子がこちらの園に通っているのですぐに先生に聞きましたね。
Nさん
- ここ(cafeさくらさく)のLINEで知りました。予約用に元々登録していたので、カフェ利用で来た時にスタッフさんに詳細を聞いたりして利用し始めました。
出口さん
- どういうところに情報が出ていると見つけやすいと思いますか?
全員
- 産婦人科!
Nさん
- 産婦人科なら必然的に目にするし、母子手帳もらう時や子育て支援センターとかですかね。
Uさん
- あとは圧倒的にSNSだと思う、Instagramとか。
こどもが慣れていくスピードに驚き
Q:実際に利用するまでは「どんなもんかな、うちの子大丈夫かな?」という感覚でしたか?実際利用したらどうだったでしょうか?
Nさん
- こどもがわりとすぐに慣れたことにビックリです。最初は泣いたけど「良く慣れて馴染んでます」と先生に言ってもらえたので、それからは祖母などにも預けやすくなりました。上の子はもっと人見知りが激しくて、あまり預けられなかったんですけど。
Kさん
- 最初が4~5ヶ月だったので人見知りもあまりしないので、私も「ごめんねー」と思いながら預ける感じにはならなかったことと、上の子が通っている園だから知っている先生や場所で見てもらえるので不安もあまり無かったです。そこは大きいメリットですね。
Uさん
- 初めの頃は給食も食べられなかったりで「お迎えに来てください」と連絡が来ていたんですが、前回は最後までいられたんですね。「どうせ今日もお迎えだろうな」と思っていたのに15時まで居られたので、こどもって本当にすごいスピードで慣れるんですね!
認定こども園さくらでは、「こどもは“こども社会”で育つ」というメッセージを発信しており、乳児期からこども同士の関わりの中で過ごす時間を大切に見守っておられます。保護者の方も実際に制度を利用することで、こどもたちがこども社会に溶け込んでいくスピードに驚き、このメッセージを体感しているようですね。
利用中は通院・家事がほとんど、上のこどもと二人で出かけたいという声も
Q:実際に制度を利用している間に何をしていますか?
Kさん
- 歯医者さんとか、こどもがいない友達と会っています。子連れだとこどもがいない友達に気を遣わせそうで悪いなと思うし。
Nさん
- 草むしりとか。リストにしておいて「これやろうあれやろう」というのを順番にやってるんですけど、すぐに時間が来ちゃう。
Uさん
- 同じく、通院とか美容室とか入れられるものを予約入れておいて、あとは家のこととか。ひたすら用事を済ませる感じです。
Q:やることリストが尽きたらどうですか?
Uさん
- 自分の買い物をしたい・・・けど、なかなかね。
Nさん
- パンを作ったりするのが好きなんですけど。なんかこう慌ただしい中ではまだやろうと思えないですね。
出口さん
- ご家族の反応はありますか?パパの反応や家族との時間が増えたなどはどうでしょうか?
Uさん
- 上の子が入園したときにずっと泣いていたので、下の子はこの制度で環境に慣れていいんじゃない、とパパは言っていますね。
Nさん
- 預けている間に私が色々こなせてることは知っていて、いい制度だなと思ってくれているんじゃないかな。上の子の春休みとかに預けて、上の子と一緒にランチに行けたらいいなぁという気持ちはあります。
有料利用には心理的ハードルも
Q:利用金額についてはどう思われますか?
Nさん
- 無料がすごすぎますよね!上の子の時は無かったので、どれだけ望んていたことか。すごいのが始まったよーと友達にも口コミしました。一日で500円とかだったら気軽に預けられそうだけど、1000円になると上の子の行事などでどうしても預けたい時くらいしか預けなくなるかな。ちょっと家のことしたいからでは使わないかもしれないですね。
Uさん
- 無料で予約が殺到してなかなか予約が取れないのであれば一回500円くらいなら払ってもいいかなとは思います。あとは先生方の負担もあるだろうし。
※注:2024年3月末までの認定こども園さくらと株式会社ここるくのコラボ事業「ランチ付きこども誰でも通園制度モデル事業」では、保育費用は栃木市による本モデル事業予算を活用、ランチ費用はここるくが負担することにより無料実施を実現していました。
コロナ禍を越え、こども同士の関わりが復活
Q:これまで、こども同士を遊ばせる機会はどのくらいありましたか?この制度を利用する前と後で、こども同士の関係性に変化はあったでしょうか?
Nさん
- 支援センターには時々行くので、そこでこども同士遊ばせていますね。
Uさん
- 支援センターや、お友だちの家や、キッズランドのようなこどもが遊んでも大丈夫なところに行っています。
Kさん
- 上の子の時は一切なかったですからね。上の子が初めての子で、妊娠出産がコロナ禍でした。公園に行けなかったのはもちろん、人がいるところにそもそも行かなかったので。そう考えると今は私も利用時間中に他の大人と会話することもできるし、こどもはこどもで同じ月齢のお友だちと遊ぶことができていいなと思っています。
山下
- コロナ禍を越えて、ようやくこういったこども同士の関わりも戻ってきましたよね。以前の座談会で出たのですが、こどもが"こども社会"で過ごしたことによって、おうちでのおしゃべりが増えたり、今までおうちでは食べなかったものを食べられたり、お子さんの新たな成長を発見する機会にもなっているようなので、この制度も利用しながら同年代のこどもたちや保護者以外の大人と関わる機会が増えていくといいですよね。今日はご参加ありがとうございました!
こども家庭庁保育政策課長補佐の出口貴史さんよりメッセージ
出口さん
- お母さんたちが一様に我が子が慣れていく様子をお話しされていたことが印象的でした。実際に制度を使ってみた感想を直接お聞きできることがあまりなく、貴重な時間となりました。機会があればまたお話をお聞きしたいと思います。また、こども同士の関りを大事にしている保育者のみなさんの工夫などがあってのことだろうと思いますので、今度は保育者のみなさんにもお話を聞いてみたいと思いました。
認定こども園さくらの「こども誰でも通園制度」施行的事業
2024年4月26日現在、「こども誰でも通園制度」施行的事業は全国115の自治体での実施が発表されており、こども家庭庁のホームページ内で公開されています。
※参照:こども誰でも通園制度の本格実施を見据えた試行的事業 実施自治体一覧|こども家庭庁 (cfa.go.jp)
栃木県栃木市もその一つで、今回の座談会を行った認定こども園さくらでは、下記の方を対象として利用が可能になっています。
◎制度利用対象となるお子さん:
栃木県栃木市にお住まいで、月年齢が0歳6ヶ月~3歳未満、保育所・幼稚園・認定こども園等に通っていないor在籍していないこと
※保護者様の就労の有無は問いません。専業主婦(夫)の方、育休中の方もご利用可能
ご利用についての詳細は、「認定こども園さくら 誰でも通園お問合窓口」LINE公式アカウントの友だち追加で確認することができます。
▶「認定こども園さくら 誰でも通園お問合窓口」LINE公式アカウント
株式会社ここるくは、「こどもまんなか応援サポーター」です。#こどもまんなかやってみた